僕らの証明はどこにある

不器用で下手くそ それでも人生さ

それは恋や愛に似た何かなのかもしれない

※このエントリーは『ジャニーズWEST LIVE TOUR 2021 rainboW』のネタバレを含みます。ご注意ください。

 

 

基本的にわたしはそこまで積極的に現場入りをする方ではない。華麗にスルーをした現場も、泣く泣く見送った現場も、長いドルオタ生活の中でたくさんある。それでもたぶんわたしは、今後もアイドルを好きで居続ける限り、今回の現場のことをずっと反芻し続ける、そんな気がしている。

 

 

2020年、ある日ドルオタはジャニーズに出戻りした。経緯に関してはこちらに記載してるので興味があればご覧ください。

このエントリーを更新したのがちょうど1年ほど前なのだが、オタク、なんとこの半年後の雪もちらつき始める初冬、忙殺されていた真っ最中に詳細は省くが突然ジャニーズWEST重岡大毅くんと正面衝突し、一瞬にして沼落ちを果たした。なにわ男子の(某丈一郎くんを除く)メンバーが入所するよりもさらに前よりずっと活動を続けていた7人の経緯をラーニングするには現体制の関ジュ概論を学ぶよりもさらにハードルが高く、困窮を極め右往左往していたわたしにWEST有志のフォロワーが大量の情報を怒涛のように与えてくれた結果、2020年を終える頃には重岡くんを果てしなく拗らせたアラサードルオタが爆誕していた。FCも入会した*1

そんなこんなで今更どっぷりとジャニーズWESTのオタクになってから迎えた2021年、週うまとrainboWの発売、そしてツアーの発表。

冒頭に入らなかった現場が多数ある話に触れたが、今回のツアーもそもそも入る予定ではなかった。何故かというと全滅したからです。もちろん応募した。追いかけ始めてから最初の現場だったし、ツアー会場のある県民だったので。まあものの見事に全滅したんですが。昔からチケ運がないことに定評のあるドルオタ我、気落ちしながら日々を過ごしていたらなんと制作開放席の抽選申し込み連絡が着弾。

そしてこれは藁にもすがる気持ちで制作開放席に応募した結果ギリギリのところで引っかかり、実に2年半ぶりのライブ現場*2に突然翌々日に参戦することになったオタクの備忘録です(ここまで前置き)。

 

 

 

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正直な話をするとまず己が重岡大毅に抱いている感情の解説からしなければならないのだが、それについてはいつか気力があったらまとめることにして、ざっくり言うと長いドルオタ人生で所謂初めて、もしや己はリアコのような状態になっているのではないか?という自覚があった。

つまり未だかつてない激重感情を抱えつつ突然現場に参戦することになった上、公演前々日の夕方に当落が出たにも関わらず案の定前日も仕事で、正直持ち物の準備も心の準備もへったくれもなくあっという間に当日の朝がきた。

そもそも久々の現場にどうすればいいんだっけ、と動揺しながら必死に顔をつくり未だ実感のない頭のままバキバキの身体を引きずり悶々としながら延々とサムシング・ニューを聴きつつ、WESTは受動喫煙程度なのに快くわたしの介護を請け負ってくれた友人*3を拾い会場入り。ご時世柄会場で物販もないのでほぼ入場開始と同時刻に会場脇の駐車場に車を停め、そのままトコトコ会場に歩いて行き数分後には入場→着席。とにかく社会情勢のせいなのだが、こんなにもスピーディーな現場は初めてでさらに動揺した。その間ずっと「吐きそう」を連呼していたわたしにを適当に受け流しながら付き合ってくれた友人には、心の底から感謝している。

人生そこそこの年数をドルオタとして生きているので過去様々なアイドルを好きになったことはあれど、今までのアイドルに対しての「好意」とは恐らくちょっとベクトルが違っていた。本気で緊張していたのだ、恥ずかしいことに。制作開放席が故にその日は天井席で、スタンド最後列の一番下手側、ステージからは一番遠い席だった、にも関わらず過去に経験したことがないほど緊張していた。直前まで会場内モニターに流れていたWA! WA! ワンダフルの振りつけ動画を見ながら「アイドルじゃないから振り覚えが悪い、覚えられない」とケラケラ笑っていたが内心本気でずっと吐きそうだったし、指先は冷えていた。本当に緊張してるんだな、と頭の片隅でちょっと冷静になりつつ定刻になりふ、と会場の照明が落ちた瞬間、「あ、終わった」と心の底から思ったことを、物騒にも鮮明に覚えている。

 

セトリをひとつも頭に入れずに臨んだので映像が流れ出してからのことは、頭の中は真っ白だし口の中は乾いてパサパサだし手は震えているしでいまいちよく覚えていない、のだが初手Big Dipper、しかも上からのゴンドラ登場は正直予想外で、散々各種メディアで見た関ジュ京セラあけおめなにわダイスマがふと頭をよぎった。

朱鷺メッセは横からのライトがそのまま逆の壁に当たるので、彼らの横顔が影になって綺麗に左右の壁に大きく映っていたのが、曲調もあいまってすごく幻想的だったのはよく覚えている。とはいえ非常に印象に残っているのは、これは現実であるという実感が湧くまでしばらく時間を要したことだ。ずっといつものように映像を見ているような気分に陥っていた。恐らく声が出せない現場が故だったのだろうけど、彼らが今生身の肉体を伴って同じ空間に存在しているという事実をはっきり実感を伴って認識するまでにしばらくの時間を要した。

とはいえ身体は反射のように反応していて、Big Shot!でもホメチギリストでも手を叩き振りを真似し、濵ちゃんに冒頭の挨拶で

「今日までよくがんばりましたね〜!」

と言われた瞬間は流石にボロっと泣いた。みんな頑張ったので……

しかも初めて生でBig Shot!!のダダダ兄さんを見たはずで(この公演では神ちゃんと肩組んでニコニコしながら叫んでたって本当ですか)、あれだけ好きなCandy Shopも演出も巧みですごく息を呑んだのに、しっかりと『生』を感じたのはしばらくセトリも進んだPUSHの、特効による炎の熱さを感じた瞬間だった。バッ、と床から炎が飛び出た特効にひどく興奮したと同時に炎の熱が空気で伝わってくるのを感じ、その瞬間「あ、本当に現場なんだ」とやっと頭の中でスイッチが入ったような感覚がした。

ちなみにわたしが入った公演のPUSHガチャは淳太くんでした。炎特効の中激しいダンスをこなした流れのままフルパワーの色気で全力で殴られた。ご馳走様でした。

 

 

重岡大毅さんの話をするんですけど、そもそもこんなにも拗らせている人を生で見るという経験をしたことがなくて(基本在宅オタク)、逆に今回天井席で良かったのかもな、としみじみ思っていて。MCで毎年母の日にお母様に花を贈っている話も*4九九を間違える濵ちゃんへの辛辣なコメントも全部大好きだったが、今回のソロ、彼はラフなパーカーにジーパンでネックホルダーにハーモニカを付けながらギターを抱えひとりセンステに座り、ただ己の演奏と声だけでステージを成立させた。それを成し得る実力を彼が持っていること自体にたまらなく感動し、やっぱりこの人のこと好きなんだな…になり、しかもその姿が私が昔からずっと崇め続けている木村拓哉その人の姿にもよく似ていて、そこから湧き出るなんとも形容し難い感情ともあいまって、息をするのを忘れてしまう程に見惚れていた。ハーモニカを吹く横顔が後ろのモニターにアップで抜かれた瞬間、正直「ここに骨を埋めよう」と思った*5

最後歌い終わった後に「父の日のことも忘れないでね」と言いながらはけて行った彼の背中を眺めながら、孝行息子だな、わたしは自分の父親にこんなことできるかな、すごいな、と遠くに小さくみえているはずの彼の姿があまりにも大きく感じて一人で震えていた。

 

これはオタク的感想ですが革新論理の演出がすごくオタク心を直でくすぐってくる表現で、というのもかっちりしたジャケット衣装にハットを被った7人が横一列に並んで、真ん中に置かれた長机に背もたれが豪勢で背の高い椅子に最後の晩餐のように腰掛け座ったまま踊るという、一昔前ニコ◯コやピ◯シブで流行った手書き動画やイラストのような雰囲気を全力で醸し出していて大歓喜した。後ろの画面の映像も額縁の中にカメラの映像が映し出されるような演出で非常に二次オタのわたしが興奮した。

※ついでいうとわたしはずっとこの動画が頭を過ぎってました(世代よ)

 

 

 

閑話休題

前に述べた通り今回は天井席でステージからは一番遠い最後列の座席だったのだが、彼だけでなくWESTの全員が何度も何度も「後ろの方〜!」「後ろの人も忘れてないからね〜!」と声をかけてくれて、たくさん大きく手を振ってくれたことが本当に嬉しくて、わたしも一緒になって何度もたくさんペンライトを振ってしまった*6。現場に入ってしまえばオタクはただそこに存在するペンライトの光になるというのが個人的な持論だが、それでもその空間に存在していることをきちんと認識してもらえるのはありがたいことだなと噛み締めていた。これたぶんステージを至近距離で見てたらわたしいま人の形を保てていないと思う。

 

 

個人的に一番響いたのが春じゃなくても→証拠→サムシング・ニューの流れで。

「好きなら好きと 言えますように」

「なんかもっと単純に笑ってたいよな」

という歌詞に心を救われていて。生きててきついこともめんどくさいことも難しいことも大変なことも常にたくさんあって、しんどいな〜とかつらいな〜とか気落ちするようなことも沢山あって全然自分の気持ちに自信を持つことができないような根っからのネガティブ人間なところがあるんですけど、そんなところをブッスリ刺されているようでアルバムを初めて聴いた時からこの曲が非常に響いていた。ついでいうとWESTに落ちる前、なにわ男子に落ちたての頃のわたしは証拠を発売当時に購入してそれ以降ずっと聴き続けていて、厳しい社会情勢の中コロナ禍の打撃を受けた職に勤めていたこともあり、「証拠」という曲そのものに非常に救われていた。

春じゃなくてもを聴きながら涙腺が緩んでいたわたしは、飽きもせずに何度も繰り返し聴き己を励まし続けていた証拠を、WESTが同じ空間で全力で声を張り上げ歌っているのをこの目で捉えている事実に耐えきれずボロボロと泣いた。シールドをつけていたせいで涙が拭えず、マスクはベシャベシャになり、必死に作った顔はボロボロになった。やはり今回は天井席で良かったと思う。こんな顔は演者の彼らには見せられない。ペンライトの光が揺れていることのみを感知してもらえるだけで良い。

ちょうど発売週のタイミングでサムシング・ニューの多幸感を実際にこの目で見られたことも、非常に幸運だったなあと思う。Cメロ明けの同期コンビ、歌番組や配信ライブではおでこをつけながら吠えてることが多かったがこの日は肩を組んで少年のように笑っていたのでまるでジャ◯プ漫画を見ているようだな…と思った。

わたしが最近買い漁っていた過去の円盤に収録されている彼らはまだ本人たちの語るところ曰く「足し算」をし続けている時期で、2021年の4月にデビュー7周年を迎えた今、生バンドを背負って「歌のみで勝負する」=「引き算」ができるようになった(と本人たちが口にする)ジャニーズWESTを『初めての彼ら』としてわたしが体感できたのはとても貴重な経験だったと思うし、歌のみで勝負できるようになったからこそ、踊ったらスゴいんです、の彼らをよりハッキリと感じられるようになってるのかもしれないなあとしみじみ思ったりもした。

 

と、思えば。

(^ワ^=)デビュー曲歌います

でええじゃないかだ!と思ったらまさかのバンドアレンジ版。流石に予想の範疇外で非常にテンションが上がったので無理かもしれないけど音源化を強く希望します。バンドサウンドになるだけで聴き慣れたええじゃないかが新鮮に聴こえるのがすごく楽しくて泣き笑い状態で踊っていた。

ええじゃないかが終わった後にハート型のサングラスを彼らが取り出した瞬間「パラパラあるやんけ!!!!!!」と心のなかで拳を振り上げ叫んだと同時にライブ直前に友人に「パラパラ今回無いらしい」と話してしまっていたので公演終わりにきっちり「パラパラあったじゃん」と突っ込まれた(北海道公演時にセトリにパラパラなかったという旨のツイートを見ていたので本当に今回はないと思ってた)(セトリ変更があったらしい)。予想外でわたしはめちゃくちゃテンションが上がったけど友人には申し訳ないことをした。すみませんでした。

そんな感じでアカンLOVEを挟みつつのズンドコ、どんなオタクもすぐに踊れるのでやっぱり即トップギアで盛り上がれるキラーチューンがあるのは良いことだな〜と思った。嵐さん曰く『植え付け情報』、きっと成功していると思う。

 

週うま。『キメ』で一緒にジャンプ(っぽくノレる)ことが本当に嬉しくて。WESTを好きになったと自覚をしてから初めてリアルタイムで予約をして購入し、歌番組始め各所で沢山パフォーマンスを見たシングル楽曲だったのでこれも生で聴けたのが非常に嬉しかった。あとわたしの気のせいじゃなければ手を振っていた重岡くんのことを流星くんが持ち上げようとしていた気がする。見間違いではない、はず。ついでに重岡くんが淳太くんの腰だかお尻だかも抱えてセンステまで引きずって行ったのも見た。今まで見聞きしてた彼の戯れは本当なんだな…になってしみじみ感動してしまった。テンションに任せた行動だとしても彼のそういうところが、多分わたしは好きなんだと思う。

 

Rainbow Chaserは絶対泣くと思ってたけどやっぱり泣いた。

レコメンで発表と同時に初めて聴いたとき、アルバムを実際に手元で再生してフルで初めて聴いたとき、虹会の締めで歌っているのを見たとき、今回のライブで生で聴いたときと、Rainbow Chaserでは少なくとも4回は泣いている。照史くんの大サビ

「ここまで来たんだ」

の力強い歌声でで絶対泣く、と分かっていてもやっぱり泣いた。彼らが必死になって歩んでここまで来た道のりをわたしはほんの少し後追いしたくらいしかまだ知り得ないけどそれでも彼らが歩み続けてくれたおかげで今わたしがこうして彼らに力をもらっているのだと思うと(後ろの画面に過去のアー写やライブ映像が映されていたこともあって)すごく泣けてきてしまった。まだド新規でしかないのにこんなに号泣しててすごいなとちょっと冷静になって後から思った。

最後の挨拶を終えて捌ける時のインストが今回はそのままRainbow Chaserだったんだけど、最後のんちゃんがインストに合わせて落ちサビを歌いだして、どんどん残りのメンバーがそれに乗って最終的にみんなでRainbow Chaserを口ずさみながら退場して行ったのを見て、あーこういう人たちだからこんなに好きになってるのかもな、とべしょべしょのボロボロの顔でペンライトを握り締めていた。

 

 

 

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個人的にも社会情勢的にもこの1年は非常に浮き沈みが激しく社会の荒波に揉まれ続けた日々だった。

そんななかでやっと開催された有観客のライブ、残念ながら無事予定通り完走とはならなかったけどもそれでもなんとか我々の前で笑顔を振りまいてくれたジャニーズWESTの彼らには本当に頭が上がらない。

ステージから客席を見上げて、わたしが立っていたスタンド席の一番後ろまで届けるように大きく大きく手を振っていた姿が何度も見られたこと、本当に嬉しかった。顔も認識できないほど小さく遠い距離感だったけど、想いは十分伝わった。

「ライブが出来ました〜!」

最後の挨拶でそう言った濵ちゃん、たぶん濵ちゃんだけでなく他のメンバーや携わるスタッフの皆様を含めた全ての関係者さま、そしてライブに参加する我々観客、全ての人間たちの心からの言葉だったと思う。ライブが無事に開催されることの重みを今回この肌身をもって感じた。

「大変な思いをして来てくれてありがとう」

その言葉を言いたいのはこっちだと思った。

 

 

初めて好きな人に、好きな人たちに会った。

この表現が合っているのかはわからない。「好きな人」という表現も、「会った」という表現も、果たして当てはまるかどうかは正直わからない。推している人たちを見に行った、という方が恐らく妥当なのだと思う。

それでも、どれだけ遠くにいたとしても、彼らが目の前にいるという事実があまりにも夢のようで、今でもあの時間は嘘だったんじゃないかと疑いたくなる。でもその疑いを跳ね除け肯定してくれる程に、ステージの彼はオーラと存在感に溢れていて、どれだけ遠くから見ていてもその立ち姿はとてもとても大きく見えた。

「バカにされたって 笑われたって」

「手を伸ばした」

この言葉を彼が地に足をつけて力強く歌ってくれるだけで、全てを認めてもらえた気がした。好きでいていいのだと、そのままでいいと、それだけでありがたいことなのかもしれない。

過去に何度も他で経験しているはずのライブ現場、それでも今回は今までとは比べ物にならないほどにまるで夢か幻のようで、でも彼は確実に、あの日あの時あの瞬間、あの空間で生きて、歌って、踊って、そして笑っていた。わたしはそれを、間違いなくこの目で見ていた。

言葉にするのは非常に恥ずかしいが、恋心に似たような何かを、確かにその瞬間、わたしは抱えていたのだと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

*1:いま省いた経緯はそのうち気が向いたらまた別にまとめるかもしれない

*2:コレ以前に行った最後のライブ現場が何かと聞かれると娘。コンとド!武です

*3:時々このブログにも登場するNさん。いつもありがとう

*4:送り損ねた結果のお母様の反応はこの息子にしてこの母ありと手を叩いて喜んでしまった

*5:去年の728の日のメンカラメドレーOne Loveの際も「太陽の塔の前に骨を埋めた」と発言しているので骨が埋まってるのは2箇所目

*6:ジャニーズWEST天海春香